BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

2010-01-01から1年間の記事一覧

情報断食のススメ

最近、Twitterのような、ものすごく早くて深い情報源が、当方の職場でも流行っている。 あいにく当方、家庭の事情により、Web利用は週末中心、携帯も音声メインで、Twitterはアカウント取っただけで放置状態。ウェブ上の最新動向からは置いてきぼりになりつ…

見本市としての図書館

先日、遅まきながら『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす』を読んで、自分の強みを判定してくれるというウェブ上のテスト、「ストレングスファインダー」をやってみたくなった。 でも、これをやるためには、この本のカバー裏…

図書館は人の生き死ににかかわらない? その2

承前。 本は人を動かすことができる、変えることができる。それは間違いない。 でも、図書館はどうなんだろう。図書館にある本じゃなくて、図書館そのもの、図書館という「場」や「機能」が、人の人生を変えたり、動かしたりすることってあるんだろうか。 あ…

気弱な司書にとっての“Libron Firefox Add-on 版”

前から面白いなと思っていた、Amazonのページから図書館の蔵書を検索できる“Libron”だけど、こないだからカーリルAPIに対応してパワーアップ。おまけに、FirefoxのAdd-on版が出たので、早速導入してみた(Greasemonkeyは正直、敷居が高かったのだ……)。 うわ…

インテリアとしての電子図書

ゴールデンウィーク中はどこにも行かずに、散らかった家の中の整理に明け暮れた。 特に、しばらく前から何の脈絡もなくただ突っ込んであった(!)書棚の本をようやく整理することができた。ま、整理できたのはごく一部で、屋根裏にマンガだの雑誌だの文庫本…

机貸しは悪か?

新学期も始まったばかりだというのに、図書館で勉強する高校生・大学生が多い。資格試験の問題集と睨めっこしてたり、電卓に向かってパチパチやってる社会人のお客様も多く見かける。皆、教科書や参考書、自前の問題集などを持ち込んでいる。 こういう方々に…

JDream2の活用に関する覚え書き

館内の研修で、有料データベースをテーマに短い発表をしないといけなくなったのだけど、昨年度のビジネス支援レファレンスコンクールでJDream2を使わせてもらったので、これをネタにしようと、先日からレジュメを作っている。 A4一枚のレジュメ、ほぼ仕上が…

セルフレファレンス(?)のすすめ

百姓の息子だけど家業を継がず、庭いじりにも興味がなくて、花や木の名前がとんと分からない。なので、こないだも拙宅の庭木の名前が分からなくなって困った。 植木屋さんに聞くのも恥ずかしいし(前にも一度聞いたような気がするから、ホント聞きづらい)、…

しおり紐と豚のしっぽ

書棚に本が並んだときのしおり紐(スピン)の位置が気になっている。 紐がきっちり本体に収まっていなかったり、天からぐにゃっと飛び出てたりするのは論外として、挟み込まれたしおり紐の先が、地の部分からちょろっと出ているのが、どうにも気に入らない。…

図書館の未来像が見える!『千代田図書館とは何か』

千代田図書館とは何か─新しい公共空間の形成作者: 柳与志夫出版社/メーカー: ポット出版発売日: 2010/03/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 70回この商品を含むブログ (15件) を見る 千代田区立千代田図書館には、リニューアル直後に一度だけ行ってみた…

猫リセット、恐るべし

さっき、『千代田図書館とは何か─新しい公共空間の形成』について、あーでもないこーでもないとうなりながら書いてたら、飼い猫が手元にふらふらやってきた拍子に、思わずブラウザバックしてしまい、さくっと下書き(2時間くらいの苦吟の成果)が電子のかな…

「ありがとう」と言われない仕事をする

職場体験学習やインターンシップに来た若者に、司書という職種の魅力を伝えようとして、「この仕事は、お客様に『ありがとう』と言っていただける機会が非常に(おそらく、公務員としてはトップレベルに)多い」ことを挙げたりする。 仕事なのに、お礼を言っ…

自分なりの解答へ向けたメモその1:公立図書館の専門性ってなんだろう?

承前。 学校(含む大学)図書館は、原則、その学校の児童・生徒・学生・教員のためにある。専門図書館は、その専門分野に携わる、あるいは関心のある人々のためにある。どちらも、そのサービス対象は比較的明確で、特定の範疇におさまりうるものだ。 一方、公共…

投げっぱなしの疑問:公立図書館の専門性って何だろう?

学校図書館に関わっておられる知人からいただいた年賀状に、「公立図書館の専門性はどこにあるのか、考えています」と書いてあって、お正月からずっと引っかかっている。 学校図書館でも専門図書館でも、まして公共図書館でもない、公立図書館の専門性って、…

福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」、恐るべし

以前、職場の書誌データに、地人書館を他人書館と間違えてる(恥ずかしい)事例を見つけたことを記事にして、最後に思いつきで、 福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」に採用されないかしらん(書名じゃないけど)。 他人書館、恐るべし - BEAYS なんて書い…

司書と信頼

服や靴を買うのが苦手だ。 自分の好み、みたいなものはもちろんあって、こんなのどう?好き?嫌い?って聞かれたら、何とか答えられるかもしれない。でも、その自分の「好き」が、世間的に見てどうなのか、流行りに乗っかってるのか、個性を追求してるのか、…

「高度」なレファレンスとは何か?

たぶんネットが浸透してきたことが大きいんだと思うけど、レファレンス・サービスはいろいろな意味で変容を迫られている。 当方の職場でも、レファレンス・サービスをより「高度化」させないといけない、みたいなことがよく言われる。なるほど。で、「高度」な…

お客様という呼び方

当方のお師匠さんは国文学者なのだけど、彼は、物語の登場人物に使われる呼称(名前や官位)に注目して、物語作者の意図や背景を浮かび上がらせる優れた論文をいくつも著している。 ある人がある人をどのように呼ぶか、ということは、両者の関係性に因ってい…

読書記録を共有するということ。

最近、読書熱がまた高じてきて、よく本を読むようになった。 理由としては、土日にお客として職場に行き、一、二時間ばかり机に座って読む習慣ができたことと、Shizuku2.0に読書記録をガシガシ溜めてることが大きい。 特に後者は、シンプルな画面と直感的な…

知見や経験を文字化することの難しさ

猫トイレを洗いながら、自転車を漕ぎながら、ふっと思いついたアイデア。頭の中であれこれ敷衍してる間は、またとない最上のものに思えて、今すぐメモしなければ!、とあせるくらいなんだけれど、実際メモった後で、あらためて見直したら、なんか違和感……。…

レファ協の「おすすめ事例」に選ばれた。

当方の職場で登録したレファレンス事例が、レファレンス協同データベースの「おすすめ事例」に選ばれた。当方の同僚(というか先輩)が担当した事例らしく、いつも控えめなその人が、選ばれたことを自分から教えてくれたのだから、よっぽどうれしかったのだ…

パスファインダーとわたし その1

レファレンスカウンターで何の気なしに昔の資料ファイルを見ていたら、ずいぶん前に自分が作ったパスファインダーが出てきた。鳥インフルエンザの流行が初めて話題になった頃のヤツだ。 鳥インフルとはなんぞや、というのから始まって、関係省庁のWeb情報源…

レファ協・Cinii・近デジ、どんどん便利に。

レファレンス協同データベースのAPIが先日から公開された。新しモノ好きの当方、さっそく仕様のページとにらめっこしつつ、あれこれいじったりググったりしてみたけれど、いかんせん、HTMLぐらいしか満足に書けない身には、簡単には扱えそうにない。APIが何…

新しい年度に向けて

平成21年度が終わり、当方の職場では、二人の方が退職された。 一人は新採の時にイロハを教えてくださった方で、もう一人は一昨年まで直接の上司だった方だ。様々な教えを受けたし、叱責もいただいた。何より、お二方とも優秀な司書だったのだが、その知識と…

読書の敵は何か?

新年度を目前に、国民読書年関連の事業を詰めないといけない(まだやってる、とほ)。 読書とは何か?なぜ読書が必要?みんなが自然に本を読むようになるには?電子書籍の影響は?……などなど、いろんなことが頭に浮かんでは消え、容易にまとまりそうにない(…

次世代OPACがやってきた。

たまたまカレントアウェアネス・ポータルを開いたら、慶應義塾大学メディアセンターの新図書館システム「KOSMOS」の記事が。おお、去年の図書館総合展でお話のあったあれですな。早速のぞいてみる。 シンプルなインターフェイス、ファセットによる絞り込み、…

図書館は人の生き死にに関わらない?

「図書館は人の生き死にに関わらないんだから」、という文句を最近よく聞く。 本庁組の上司は、積極的にいろいろやってみろ(まあ、うまく行こうが行くまいが、どうせたいした影響もないんだから)、という意味で使っている。 生えぬき職員の先輩からは、予…

他人書館、恐るべし

出納の依頼を受けて書庫の階段を駆け上がりながら、OPACのレシートで書誌を再確認。ちょっと古い建築の本で、出版者は「他人書館」。 ふーん、「地人書館」は有名だけど、似たような出版社もあるんだな、とその時は思って、配架場所でその本を手にとって見る…

電子書籍と手首のカンケイ

最近意識するようになったのだけど、読書中に、読んでいる本の持ち方があまり行儀良くない。 普通に机に置いて読み始めたとしても、いつの間にか、顔のあたりまで持ち上げて読んでいたりする。それも、近づけたり離したり、あまり本をじっとさせていない。寝…

『プレゼンテーションZen』と、紙と鉛筆

『プレゼンテーションzen』を読んだ。 もともと国文出で、ビジュアルやデジタルとは無縁の発表ばかり聞いてきた(今は国文でもスライドバリバリなんだろうか?)ので、スライドを使ってプレゼンテーションする必要性を、最近までまったく感じなかった。職場…