BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

机貸しは悪か?

新学期も始まったばかりだというのに、図書館で勉強する高校生・大学生が多い。資格試験の問題集と睨めっこしてたり、電卓に向かってパチパチやってる社会人のお客様も多く見かける。皆、教科書や参考書、自前の問題集などを持ち込んでいる。
こういう方々にとって大事なのは、机と、一定の静謐さと、いかめしい本棚に囲まれた空間と、周囲の皆がページをめくったりカリカリ筆記具を走らせたりしているような「勉強してる感」なんだろうな、と思う。
多分、この方々にとって、棚に並ぶ図書館の本は何の意味ももたない。たまに、席借りの理由づけのために辞書を持ってきて机の上に乗せておくくらい(「図書館の資料を使わない方の利用はお断りします」という張り紙への対応策)。図書館側からみると、いわゆる机貸しだ。テスト前なんかは特に、席が占領されるので困った存在ではあるけど、ある意味、本も司書も必要ないこの方々は、ものすごくコストパフォーマンスの高い(?)来館者でもある。
個人的には、そういう利用の仕方もアリだな、とは思うのだけれど、司書としてはなんだかさびしい。
もちろん、机貸しを望む人は、ほかに意識を散らされることなく自分の勉強をしたいんだと思う。でも、帰りがけやちょっと疲れたときなんかに、ふと棚を見ると、面白そうな本、自分の勉強に関係ありそうな本が目に留まるような、仕掛けができるといいなと思う。
いや、どうしたらできるかはまだ分からないんだけれど……。