BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

無料のWebデータベースは脅威? 機会?

先日、「友人から、これこれこういう引用句を聞いたのだが、その典拠を見たい、○○というスイスの詩人兼哲学者の言葉だったような気がする……」という質問を受けた。
教養高い古き良きレファレンス・ライブラリアン諸氏なら、「○○のあの言葉ね、学生のころ読んだ岩波文庫版のあの辺にあったよね」って即答できるのかもしれないけれど、こちとらサボり学生かつヘボ司書なのでそんなのムリ。
お客様に○○氏の代表作の訳本を見てもらいつつ、名言や引用句の辞典類を見てゆく。あっさり行き詰って、もっと手がかりがないかインタビューしながら、「これこれこういう」のなかから確実そうなキーワードを選び、とっかえひっかえしながらググってみる。手が空いてる職員の応援も頼む。ダメだ……。訳本にざっと目を通されたお客様もひとまずあきらめたようで、もう一度友人に聞いてみる、と帰られた。この間、約一時間。
その後、ふと思いついて、GoogleBooksに、キーワードの英訳と著者名○○を入れると、英訳本のそれっぽい記述がさっくりヒット。訳本で該当箇所を確認、ほぼ間違いない。もっと早く気付けばよかった。
それにしても、GoogleBooks、恐ろしい子!(白い目)。これで日本語書籍の全文データベースが実現すれば、今より確実に仕事減るな、と思う。それとも、誰もが使いこなせるわけじゃないし、調査は確実にスピードアップするから、むしろ増えるのかしらん。
いずれにせよ、どういうデータベースをどう使うのか、も、出てきた断片的なデータをどう理解するのか、も、一筋縄ではいかない難事。ここに、司書の生きる道がある。