BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

龍馬・竜馬・りょうま

今年、かなりたくさんのお客様が、図書館OPACの検索窓に「龍馬伝」とか、「坂本龍馬」とか入れて本を探すことだろう。
たいていの図書館では、例えば、普通に『龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)』とかが出てくるのだけど、一部の図書館では(所蔵があるはずなのに)出てこない。
言うまでもなく、書誌データがおかしいからだ。「龍馬」ではなく、「竜馬」として登録されているから。史実としてどちらが正しいかはさておいて、少なくとも本の場合、現物に「龍馬」と書かれていたら「龍馬」で検索できて当然のはず。

「りょうまって入れたら、どっちも普通に検索できるからOK」
「MARC会社さんがそういうMARCを作って送信して来るんだから、仕方がないよね」
異体字を自動判別して同定してくれるような高いシステムは買えないしねえ」
「言葉って難しいよね、だからこそ、普通の人にはわからないキーワードの機微を理解して、本を探し出す司書が必要なんだよね」

やれやれ。
MARC買うのが(よそで作るのが)当たり前の時代、「この本をどこの棚に置いたら、お客様の目に止まりやすいかな」とか、「この本を探す人だったら、OPACにどういうキーワードを入れるかな」とかを想像する力は、失われつつあるのかもしれない。