BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

コロナウィルス後の図書館(なんて大きなタイトルしか思いつかなかった雑記)

入館制限、消毒液やマスクの調達、果ては臨時閉館にリモートワークと、目まぐるしく変わる状況についていくのが精一杯で、ほんの二月前に何を考えてたか、ちっとも思い出せない始末。怖い。最近は、少し収まりつつあるのかなと思うけれど、秋冬にはまた同じような事態に陥る恐れは大きいのだろう。

しかし、ひとたびなにか起こると、ここまで感染防止・外出自粛が言われるということになると、対面でのモノを介したサービスや、物理的に人を集めることに、(良くも悪くも)腐心してきた近年の図書館は、大きな転機を迎えてるのかもしれない、と思う。ショック・ドクトリンでもないけれど、これを奇貨として、変えられるところは変えていけるといいなと思う。

先日、日本図書館協会は、図書館が読み聞かせの配信をしたり、複写物をメールやファクスで送ることを時限的に可能とするとするよう、要望書を関係団体に提出した。一方、日本出版社協議会は、「この緊急時にあっては、緊急措置としての国立国会図書館のデジタル化資料の公開について可能な限り協力したい」との声明を出している。

日図協はともかく、権利者側である出版協がここまで譲歩を表明するとは、正直、驚いた。NDLデジコレの図書館館送信資料が一時的でもウェブから使えるようになったら、世間的にもかなりのインパクトがありそう。

コロナウィルスの猛威もいつかは収まる(と思いたい)。ただ、完全に収まるまで、断続的に蔓延と収束を繰り返すだろうし、原因こそ違え、同じような事態は今後も起こるだろう。ならば、その時々に応じた臨時措置が柔軟にできることも大事だけど、特別な対応が必要ないように、日頃から整えることも大事だと思う。

各図書館が、自館資料を少しずつデジタル化したり、電子書籍サービスの導入を検討したり、地域の著作権者の没年を調べてNDLに情報提供したりと、できることは色々あるはず。出せるものはどんどんデジタル化して出してゆく。閉館やリモートワークの期間は、そのための準備作業・調査にあてたい。

と思いつつ、エビデンスなきまま感染対策に頭を痛める今日コノゴロ。正直、消毒機はいいのでマスクと手袋とエチルアルコールください……。