BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

初めてのプレゼントは、規則リスト?!

最近、妙に病気がちで、年齢を意識する今日コノゴロ、急に鼻の具合が悪くなって、近くの耳鼻科にお世話になった。そこは比較的若い先生がやってる個人病院なのだけど、そこに先生の来歴や病院の方針をエッセイ風に短くまとめた冊子が置いてあって、おっと思った。
冊子の内容としては、なぜ医師を志したのか、から始まって、その後の経歴と、そこで学んだり感じたりしたこと、それを活かしてこんな病院にしていきたい、というもの。Wordで作った、デザイン的には垢抜けない感じのものだけど、待ち時間に読んで、妙に心に残った。そういえば、以前行った皮膚科や歯科にもこんなのあったな、とあらためて思い出したり。個人の病院では流行りのやり方なのかもしれない。
なにかと忙しそうな個人病院で、週1回15分程度診療してもらう程度のかかわりでは、その先生の腕や人柄、病院の方針なんてわかりようもない。でも、こういう冊子を読むと、なんとなくその先生に親近感が沸いてくる。こういう先生なら信頼できるかも、と思わされる。
それに、この病院はこういうことに力を入れています、と宣言されて初めて、患者であるこちらはそれが出来てるかどうかを気にするようになる。おそらく、その評価は比較的高くなるだろう。もし低い評価を下されたとしても、悪いところを指摘してもらえる可能性が高くなるはず。病院にとっては、見て見ぬふりで、もう来ません、の患者さんよりは遥かにありがたい。
初めての病院で何かと不安な患者さんにとって、この冊子の効果は大きい。検査待ちの小テーブルにさりげなく置いてあって、「5分くらいで読めるようにまとめてあるので、待ち時間で読んでみてください」とあったのも、患者さん目線でポイント高い。
初めてのお客様に図書館の利用登録をしてもらう際、利用案内みたいなものをお渡しするところがほとんどだと思う。当方の職場では、利用カードをラミネート加工する関係上、少し待ち時間が発生するので、その間お読みください、と利用案内を渡している。この利用案内は、もちろん開館時間とか、貸出冊数とかのルールが書いてあるもので、それはそれで重要なのだけど、少なくとも読んで面白いものではないし、図書館に親近感や愛着を持ってもらえるものではない。

初めてその図書館を使うお客様に最初に伝えなくちゃいけないことは、禁止や制限ばかりのルールじゃないはず。ウチの図書館が何を目指しているか、という決意表明だったり、こういう風に使ってください、という提案だったりするのでは?

本の宝庫である図書館で最初に渡されるのが、箇条書きされた味気ない規則リストだというのも、なんとなくさびしい、と思う。