BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

謎かけとWebcat Plus

先日リニューアルしたWebcat Plus、業務の合間にちょこちょこと触っている。
今回のリニューアルでは、収録データベースや連携先が増え、仮想書棚や書影などのヴィジュアル面も強化、もともとウリだった(でもノイズだらけなので一部で不評だった)連想検索機能が、さらに前面に押し出されている。連想検索のアルゴリズム自体が変わったのかどうかは正直よくわからないけれど、データと連携先の強化により、インプットとアウトプットが質・量ともにが多彩になったのは確か。どちらかというと、業界関係者が便利と思う方向よりは、広く一般の方に面白そう!と思ってもらえる方向に進化したのかなと思う。
個人的には、検索結果をファセットで絞り込めるようになったのが嬉しい。以前は、連想検索のノイズの多さにはホトホト手を焼いていたし、内容紹介や目次のキーワードを直接引っ掛けて、ピンポイントで探せることのメリットが大きかったので、一致検索を使うことが多かった。まだあまりいじってないのだけれど、今度は連想検索も使えそうな気がする。例えば、調べたいことを明確に言葉にできないお客様と、カウンセリング的にインタビューしながら資料を探すときなんかによいかも。
この連想検索もそうだけど、J-GLOBALや一連の「ふわっと関連検索」など、単なるキーワードによる一致検索を超えて、関連性のある、だけど思いもよらない結果が返ってくる検索システムが、どんどん登場している。期待した通りの結果を導き出してくれる従順なシステムには、広がりがない。自分の殻を破ることができない。ちょっとクセがあるけれど、突拍子もない、だけど創造的なヒントやアイデアをもたらしてくれる魔法の杖は、他に代えがたい大きな価値がある*1
最近、バラエティ番組なんかで、「なぞかけ」なんてものが妙に流行っている。一見関係なさそうなものの意外な共通点を楽しむという、古くからある言葉遊びが、今、この時期に注目を浴びている。連想とか意外性とかいうものの価値が、あらためて問われているのかもしれない。

*1:『[asin:4780801427:title]』で、柳氏は、連想検索の広がり志向を高く評価していた。