BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

カーリルと素敵な図書館

日本最大をうたう図書館検索サイト「カーリル」が先日より公開された、とGoogleアラート君が教えてくれたので、当方もさっそく使ってみた。
自分の使いたい図書館を選んで、あとは検索窓にキーワードを入れるだけ。その図書館に該当する、または関連する本の蔵書があるか、貸出中かどうかを確認してくれる。処理も意外と高速だ。
今のところ、Amazonの検索結果から、ISBNで図書館のWeb-Opacを再検索してるようだ。検索窓は一つだけで、フリーワードだから、直感的に使える。Amazonのレコメンド(図書館外部とはいえ利用履歴ですぜ、ダンナ)やレビューも参照でき、Wikipediaと連動した作家一覧まであって、キーワードで悩まなくていいように間口が広げてある。もちろん書影もあるし、インターフェースも結果表示も非常に洗練された印象。おまけに、GoogleやYahooのアカウントで、読みたい・読んだリストを作成・保存もできる、と至れり尽くせり。何気に、日図協の「図書館の自由宣言」のページへリンクが張ってあったり、各図書館の紹介用ページをはじめとする図書館向け機能まであるところもニクイ。
現状、ISBNのない資料は検索できなかったり、相互貸借前提で広範囲に本を探すには向いていなかったりする(設定できる図書館は3つまで)など、物足りないところはあるけれど、一般的な人が日常的に読む本を探す分にはこれで十分なはず。そして、いわゆるライトユーザーを図書館に引き寄せる強力なツールにもなりうると思う。
このカーリルもそうだけど、LibronLibraroidなど、Web-Opacを直接通さずに図書館の蔵書を利用するソフトウェアやWebサービスが次々に生まれている。これはひょっとして、使いづらい・使えないというレッテルを張られ続けた図書館の(Web)Opacが、ついにその終焉をむかえつつあるということなのだろうか。
当方は、そうは思いたくない。
まだまだ、Opacにできることはあるはず。特定の本の有無ではなく、探したいことが書いてありそうな本を、広く、かつ的確に見つけ出してくれるOpac。「この本あるかな?」じゃなくて、「こんな本あるかな?」に答えてくれるOpacがきっとできるはずだと思うし、それを考えるのは、プログラマーさんやSEさんではなく、ライブラリアンなのだ!