BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

歓送迎会雑感、あるいは、図書館は図書館で働く非正規の若者に何ができるか

今年も出会いと別れの季節がやってきた。

この業界、人の出入りがホント激しいのでいつものことではあるんだけど、スキルとノウハウを備えたベテランが何を残すことなくあっさりいなくなり、可能性に満ちてはいるけれど即戦力とはなりえないフレッシュマンがやってくる(やってこないこともある。合掌)。

そして、去る人も入る人も、いわゆる非正規の人が増えてきている。彼ら彼女らが数年かけて得たスキルとノウハウは、雇用期間という名の壁にぶつかってあっさり消えてしまう。

いや、その人の経験としては残るけれど、それが再び活かされる機会は必ずしも多くない。経験に応じて報われる形で生かされる機会はなお少ない。

図書館は社会教育施設である。社会教育施設は、学ぶ意思がある人にその機会を与える教育機関である。社会教育施設としての図書館、社会教育に従事する者としての図書館員が、ほかでもない図書館で働いている非正規の人たち、多くは若者で、少なくとも今後も図書館で働きたい、という意思のある人たちに対して、何ができるのだろうか。何かしているのだろうか。

制度をすぐすぐ変えることはできない。図書館で格差解消、とはいかない*1(らしい)現実もある。やりがい搾取へのうしろめたさに対する代償行為なのかもしれない。でも、数年でいなくなってしまう人たちに、次につながる何かを見つけて、身につけてもらいたい。それができなくて、何の社会教育施設だ、とは思う。

「いや、そんなことはいいから、早くその席からどけよ」と言われると、ちとつらいけれど。