BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

図書館システムデモ雑感

数年ぶりに、図書館システムのデモを見せてもらった。業界最大手の某社さん。利用者用OPACの機能充実がウリとのこと。

確かに多機能。

書誌情報全文検索、書影表示、ファセットブラウジング、キーワードサジェスト、レビュー、タギング、本棚機能、御丁寧に読書履歴保持機能まである(某団体の逆鱗に触れそう)。数年前に話題になった、いわゆるOPAC2.0的機能(うわ―、ホントに死語だな)は一通りそろっている。

ただし、コレジャナイ感も正直、漂う。NDLサーチのように、多種多様な情報をまとめて検索しておいて細かく見ていくならいざ知らず、一般的な公立図書館で、蔵書のデータをわざわざファセットで絞り込んでいく意味合いは薄い気がする(件名くらいか)。バックデータに入力履歴をもたないサジェストでは、省力化にはなっても発見はない、むしろ検索漏れを誘発しそう。お客さまにレビューやタギングを活用してもらうには図書館側の継続的な仕掛けが必須だし、管理が大変そうという印象しか受けない。

と、さんざんクサしてるけど、ベンダーさんは十分がんばっていると思う。たいした競争も無く、コスト最優先な業界で、新しい機能を実装していくのは、モチベーション的にも辛い仕事だ。新機能のほとんどがオンオフできるようになっているか、オプション扱いのところからして、結局、「『○○』が読みたい、この図書館にあるかしらん」以上の要求は、多くの図書館、多くのOPACには求められていない(と図書館側が考えている)、ってことなのだろう。

昔々、汎用機からWindowsにシステムが切り替わった際、書誌入力でコピペが使えるというので感動したこともあった(遠い目)。WebcatPlusが初めて登場した時、目次情報による検索ができて、レファレンスの終焉を予感した(一応まだ続いてるけど。おまけに図書館システムじゃないけど)。新しいシステムに出会うたびに、ワクワクしたものだった。

今、どんなシステムが求められているのか、これから何年かのお客様のためにどんな機能が必要なのか、あまりイメージできない。WebAPI連携、デジタルアーカイブ、スマートフォン対応やアクセシビリティ対応と、それなりに大事なことはあるんだけど、なんだかワクワクしない。

単に、あたしが老化してスタティックになったということなんだろうか。

それでもまあ、カーリルは何かやってくれそうな、漠然とした(無責任な)期待だけは持っている。

この項続く、かも