BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

レファレンス記録を書く、ということ

レファレンスの何がしんどいって、事後の記録を書くのが一番しんどい。

回答とその典拠はもちろん、後で他人が見てもその調査を再現できるように、調査メモを見返しながら、あるいは経過を必死に思い出しながら、調査戦略(みたいなもの)とその結果を時系列に整理して書いていく。調べたけれどもあえて回答しなかったことや、時間切れで未見だけれどこの資料にありそう、みたいな情報も追記する。他の仕事の合間に細切れに調べたり、壁にぶつかってヤケクソでブラウジングして、たまたま回答らしきものにたどり着いたりすることが多いから、調査過程を整理するだけでも一苦労だ。

ただ、すごくタメになっているなという気はする。一連の調査の流れを見渡したとき、ここはまだ突っ込みが足りなかったなとか、後でこれを見たら載ってたから、先にこっちに喰いついたのは非効率だったなとか、記録を付ける段になっての気付きが多い。ツールや方法論を身につけること、調査やインタビューの実戦経験を積むことももちろん大事だけれど、レファレンス記録を書くことによる学習効果は馬鹿にならない。

たまたま今読んでる『プレイフル・シンキング』という本にも、自身の行動を後から振り返る、つまり「省察」することとの重要性が挙げられている。また、自らの体験を「アウトプット」することは、インプットされた知識や情報を自分なりに咀嚼する「創造的借用」が行われる、とある。結果として自他共に学ぶことができるというわけだ。

一人のお客さまに満足していただいてそれで終了、なんてもったいない。記録し、共有、自館サイトやレファ協で公開することによって、自分も、図書館も、そしてより多くのお客様の学びにつなげることができる。

と、自分を鼓舞しつつ、めんどくさいレファレンス記録をしこしことまとめる今日コノゴロなのであった

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