BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

見本市としての図書館

先日、遅まきながら『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす』を読んで、自分の強みを判定してくれるというウェブ上のテスト、「ストレングスファインダー」をやってみたくなった。
でも、これをやるためには、この本のカバー裏のIDが必要。当方、この本を某古書店でたまたま目に付いて買ったもので、当然ながらIDは既に使用済み。
それでも、どうしても試してみたかった(わりと権威主義)ので、あらためて新刊書店で買いなおしてしまった(ちなみに結果は、収集心・原点思考・調和性・最上志向・適応性でした。職業柄、やっぱり収集心だよね)。
ところで、この本の場合、ある意味、本の価格がテストの受験料になっているわけで、同様に、本の中身や本そのもの以外に特典がついてるケースがたまにある。
例えば、この本を買った人だけ特別なサイトにアクセスできますとか、プレゼントに応募できますとか。雑誌の付録なんかも同類かな。最近では付録も豪華になって、ちゃちな試供品どころか、限りなく製品に近いものが付いてたりもする。
こういう、お金を払って買った人だけが得られる特典付きの本を図書館に置く、というのは、なんだか面白いかも。
さっきの「ストレングスファインダー」だと、一つのIDは一回しか使えなくなっているようなので、最初に誰かが使ったら、それでもうおしまい。裏のIDを見るために、表紙のフィルムをはがそうとするお客様もいらっしゃるだろうし、公平を期す(?)ために図書館側があらかじめIDを使ってしまって、この本のIDは使えませんよ、という表示をする、なんてことも考えられる。税金を使って購入したものは「みんなのもの」だから、全員分のIDを準備すべき、というのは、いくらなんでも道理が通らない。
むしろ、必要な方はお金を払って買ってください、お宅のお近くならこの書店で買えますよ、とガイドする、というのはどうだろう。図書館が情報提供することで、書店・出版者・著者は販売機会を得、お客様は自分だけの本と特典を得る。みんなが満足して、無料の原則にも抵触していない。もちろん、お金を出してまで買いたくないと思う人はいるだろうけど、それはそれ。
本の見本市、セレクトショップとしての図書館、というのもありかもしれない。