BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

ぼくのかんがえたさいきょうのOPAC1.3

OPAC2.0なんてものが唱えられたとき、きっとウチの図書館のシステムも進化(バージョンアップ)すれば、そのうちアレになるに違いない、となんとなく夢想してたものだけど、あれから幾星霜、いつまでたっても1.0のまんま。ベンダーさんに聞くと、「今のOPAC…

レファレンスサービス、君の名は

遅まきながら、『日本の図書館におけるレファレンスサービスの課題と展望』をちまちま読んでいて、おっと思ったことがある。レファレンス質問の受付スぺースの名称に関する分析のところだ。 多くの図書館で、レファレンスの受付スペースの名称や案内表示が違…

発見を生む図書館

"CA1798 -本と出合える空間を目ざして―恵文社一乗寺店の棚づくり―"を読んだ。良かった。 決まった本を素早く的確に探せるような検索性や利便性は、オンライン書店、大型書店に任せて、モノとして魅力にあふれた本をセレクトし、一定のテーマでゆるく並べる。…

非読書家による「読書案内」

読書案内が苦手だ。 図書館で仕事をしてるからには読書家に違いない、という先入観をもたれやすいのは仕方のないところだけど、飲み会とかで初対面の人と一緒になると、たいてい「おススメの本は?」と聞かれる。そして、この場合の「本」とは、何かしら小説…

レファレンス記録を書く、ということ

レファレンスの何がしんどいって、事後の記録を書くのが一番しんどい。回答とその典拠はもちろん、後で他人が見てもその調査を再現できるように、調査メモを見返しながら、あるいは経過を必死に思い出しながら、調査戦略(みたいなもの)とその結果を時系列…

はてなブログに移行してみました。

はてなブログ図書館支援プログラムを記念して、ダイアリーからブログに移行してみました。来るべき自館ブログ立ち上げをにらんで、というか、祈念してという感じです。 例によって細々と続けてまいる所存です。よろしくお願いします。

アクセシビリティ狂想曲

国立国会図書館が、先日(つってもひと月くらい前だが)、「国立国会図書館ウェブアクセシビリティ方針」を発表した。いわゆるウェブアクセシビリティのJIS基準に基づき、等級AA準拠を、ウェブサービス全体に適用することを目標に、順次対応する、とのこと。…

ブックフィニッシュと戒老録

久しぶりに現場に戻ってもう一つ気がついたことは、お年寄りのお客様が増えたな、ということ。印象論だけど、確実に多くなっている気がする。大活字本の充実とか、高齢者向けのサービス強化は待ったなしの状態。それでふと思い出したのが、ちょっと前に読ん…

「現場」に戻ってきました

2年ばかり図書館から離れていましたが、めでたくお勤めを終えて、娑婆ならぬ現場に戻ることができました。戻ってきた記念に、縮小更新。戻ってみると、システムは替わってるわ、人は代わってるわ、すっかり浦島太郎状態。というか、むしろ、覚えてること、…

図書館は新装版がお嫌い?

先日、新聞の書評欄を読んでいたら、欄外広告に懐かしい名前が。仁木悦子か、昔、大好きだったな、と感慨ひとしお。『猫は知っていた』とかがポプラ社のYA向け(?)文庫で出てるらしい。今どきのポップな表紙が印象的で、また読んでみたいと思わせる。 こうい…

立つ鳥、後に残す、ということ

春は別れの時期でもある。今年も、長く図書館を支えてきた多くのベテラン司書が、現場を離れていくことになる。その方々が獲得し蓄積してきたノウハウが、今まさに、失われつつある。 特にレファレンスには、長年の経験が必要とされている。資料の知識、イン…

司書とクレドとレーゾンデートル

職場で、クレドを作ろうという話が出た。クレドといえば、たしか、リッツ・カールトンってホテルが有名だったな、と思いだして、年末に、『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』を読んでみた。 うーん、とうならされることの多い本だった…

2011年に向けて(ほぼセルフ激励文)

このブログを始めて、ほぼ一年が経過しました。何事にも冷め易く飽きっぽい当方がここまで続けてこられたのは、こんな世迷言でも目を通してくださる皆様のお蔭です。あらためてお礼申し上げます。 さて、先日、某講習会用の自己紹介シートを書いていて、2010…

書架整理とペンキ塗り

以前も書いたけれど、当方の職場では毎朝、職員が分担して書架の点検作業をする。その昔、業務の合理化とやらで、この作業を止めてしまおう、という話が出たこともあったのだけれど、お客様に乱れた棚を見せるわけにはいかない、というわけで(?)、今も続…

夢を語ること、夢を実現させること

「お金がない」が口癖になっている公共図書館業界。でも、いざお金が転がり込んできたときに、じゃあ、何をする? 蔵書を増やすだの、書庫を立て替えるだの、空調施設を修繕だの、どれも大事で必要なことだけど、なんだか小ぢんまりした夢のない案ばかり思い…

図書館員はブックディレクターの夢を見る

行きつけのパン屋さんがある。美味しいのはもちろん、イートインがあってコーヒーも無料で飲めるので、休日の遅めの昼食なんかにとても重宝している。で、そこのイートインはちょっとしたカフェっぽくなっているのだけど、本棚なんかもあったりする。ただ、…

図書館と『泣いた赤鬼』

少し前に、上司に言われた言葉がずっと胸に残っているので、勝手にご紹介(関係者の方々ごめんなさい)。いわく、「図書館って、『泣いた赤鬼』の赤鬼だよね」。 赤鬼こと某図書館は、たくさんの人に利用してほしいと思った。例えば、ビジネスパーソンや起業…

初めてのプレゼントは、規則リスト?!

最近、妙に病気がちで、年齢を意識する今日コノゴロ、急に鼻の具合が悪くなって、近くの耳鼻科にお世話になった。そこは比較的若い先生がやってる個人病院なのだけど、そこに先生の来歴や病院の方針をエッセイ風に短くまとめた冊子が置いてあって、おっと思…

棚の透明度

ずいぶん前に読んだ井上ひさしの『自家製文章読本』に、「透明文章の怪」という章があるのを、書架の整頓中にふと思い出した。 いわく、文章そのものを感じさせない、修辞や技巧を労さずとも文意がすっと伝わる「透明な」文章こそが素晴らしい、とする文章家…

司書とめんどくさがり力

学生のころ、「自分は○○が好きだから、それについて研究している」って人がうらやましかった。そういう人の研究生活は、実に忙しそうに、そして楽しそうに見えた。 至極当たり前のことだけれど、自分の研究テーマのためなら、難しげな参考文献も長ったらしい…

職業病の一病態としての“本”特集愛好症

雑誌の“本”特集や読書特集を見つけると、たいてい買うようにしている。 『ダ・ヴィンチ』のような、一冊丸ごと“本”特集みたいな、総合的な書評誌はあまり読んでいない。それよりも、単発の特集記事、例えば『日経ビジネスassocié』や『The21』みたいなビジネ…

歯医者と図書館、あるいは一見さんとお馴染さん

最近まで、えらく長いこと歯医者にかかっていた。 痛みが我慢できなくなるまで放置する性質なので、ヒドイ虫歯が何本もあったし、これを機会に痛みのない軽微なヤツも徹底的に治してもらったが故の長期治療ではある。また、治療技術上の問題から、一度に処置…

文脈棚とICタグ

少し前に読んだ『世界を知る力 (PHP新書)』のなかに、古書店通いを勧めたくだりがある。古書店の棚の、ゆるいまとまりで置かれた本の並びには、思いもよらなかった相関の発見がある、と著者はいう。棚の前に実際に立って「なぜこの本がここに?」と考えたり…

情報断食、終了(挫折)宣言

ついにというか、やっとというか、先日からTwitter始めました。情報断食、終了(苦笑)。有言不実行を絵に描いたよう。家人に怒られない程度につぶやきます。 で、不慣れなままに、あれこれのぞいているなかで、国会図書館関西館図書館協力課のレファ協Twitt…

図書館員の歩くを応援?する靴

先日、新しい靴を買った。底面が反っていて、履いて歩くと足の筋肉に負担がかかってエクササイズ効果がある、というもの。 以前、サービス担当課勤務だったときは、フロアワークで一日一万歩は優に歩いていたのだが、最近は机仕事も増えて運動量は減る一方。…

田舎のビジネスレファレンス

当たり前のことを探すのは難しい。 当方の職場はいわゆる田舎なので、農業や林業に従事されていると思しい方々が結構来られる。で、農作業や山仕事に関するレファレンスにしばしば行き当たる。 いわく、鉈についての本はないか、とか、軽鉄骨を使った納屋の…

有言不実行へたれ司書の今日コノゴロ

親譲り(かどうかしらないけれど)の無節操さで、小供のころから損ばかりしている(というか、周りに迷惑かけまくり)。 新しもの好きで、ノリやすい性質のくせに、妙に根性なしなので、飛びついてはすぐ飽きたり、怖気付いたり。モノになったことは少ない。 …

未来のライブラリアンはクール&ドライ?

インターンシップを担当して、若い人と接すると、いろいろ考えさせられる。今回のインターンシップ生の三人は、とりわけ三者三様に特徴的だった。 一人は、明るくて人懐っこい、コミュニケーション大好き、って感じの子。見ず知らずのインターンシップ生同士…

レファレンス協同データベース企画「夏休み定番事例」が面白い

今年も夏が終わり、あんなこともこんなこともできなかった、と嘆いていたら、レファ協が面白いことをはじめてた。生徒・学生などから寄せられるよくある質問を登録して、来年以降の夏休みに備えようという、「夏休み定番事例」キャンペーンだ。 「来年以降」…

インターンシップに来てくださった皆様に。

今年も、職場でインターンシップの学生を受け入れる季節がやってきた。 若い人たちに、図書館とは何ぞや、みたいな話をするのは、口幅ったくも楽しいひと時。以前は、どちらかというと夏場の労働力として期待するところが大きかったのだけど、上の意向もあっ…