BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

雑記

ユーロトラックシミュレーター2と読書

ユーロ トラック シミュレーター2(Euro Truck Simulator2,ETS2)というゲームがある。タイトルどおり、大型トラックの運転手として、ヨーロッパの国々をまたいで荷を運ぶ、よく知られたPCゲーム。古いので3Dながら比較的低スペックでも動作し、何よりトラ…

今どきの中高生は司書の夢を見るか。

コロナのせいで色々シッチャカメッチャカになってるとはいえ、そろそろウチの図書館にもインターンシップ生の受け入れの話が来はじめてる。司書になりたい、図書館で働きたい、という若者がいるのはありがたいこと。 しかし、こないだは、とある集まりで、子…

コロナウィルス後の図書館(なんて大きなタイトルしか思いつかなかった雑記)

入館制限、消毒液やマスクの調達、果ては臨時閉館にリモートワークと、目まぐるしく変わる状況についていくのが精一杯で、ほんの二月前に何を考えてたか、ちっとも思い出せない始末。怖い。最近は、少し収まりつつあるのかなと思うけれど、秋冬にはまた同じ…

レファ協DIY事例あれこれ

DIYとかサバイバル、手持ちのもので自分で何とかする、が好きだ。 ぶきっちょでモヤシっ子(死語)なので、自分では全くできないし、する気もないけど、興味だけは妙にある。なので、レファレンス協同データベースでその手の事例を見つけると、気になってつ…

久しぶりの異動

この春から、利用者サービスの部署に異動になった。他所にお出かけしてた2年間を加えると、実に8年ぶり。浦島太郎とはこのこと。 いろんな仕事を残してきて、後任者には恨まれそう。頼りにしてた先輩や同僚が、3月末で少なからずいなくなってしまったのも…

L-Crowd「都道府県総合目録の将来像に関する研究プロジェクト」が楽しい。

先日からスタートしてCA入り*1もした、L-Crowd「都道府県総合目録の将来像に関する研究プロジェクト」が楽しい。 要は、機械的に同定できない書誌を、人海戦術で同定しちまえ、って取組み。機械的に同定できないっていっても、そんなに難しいことをするわけ…

マイナンバーカードの図書館利用にかかる対策について(私案)

総務省から2016年秋に発表された、マイナンバーカードの図書館利用は、複数の図書館の利用カードをマイナンバーカード1枚にまとめることができる、という、極めて利便性に富む画期的な取組である。 様々なクレジットカード、ポイントカード等の乱立により、…

さびしがりの神様と、首飾りと魔法のカギのお話

昔々、あるところに、小さな国がありました。その国の人々は、一人の神様を敬いながら、つましく暮らしておりました。 神様は、愛すべき人々がつましく暮らしている様に感心し、褒美として、一人一人に「真の名前」を与えることにしました。この「真の名前」…

分類の未来と客観性と~『自然を名づける』を読んで

久々に面白い本を読んだので、久々に書いてみる。 読んだ本は、コレ。 カーリルで開く 書架の整頓しててたまたま手に取った本で、職業柄、興味が湧いてきたので読んでみると、これが面白かった。 ヒトが、食べ物や外敵を見分ける(=分類する)ために発達さ…

歓送迎会雑感、あるいは、図書館は図書館で働く非正規の若者に何ができるか

今年も出会いと別れの季節がやってきた。 この業界、人の出入りがホント激しいのでいつものことではあるんだけど、スキルとノウハウを備えたベテランが何を残すことなくあっさりいなくなり、可能性に満ちてはいるけれど即戦力とはなりえないフレッシュマンが…

地方カタロガー(似非)の悲哀

レファ協の事例を見ていると、ユニークな件名や内容細目が入力してある館のWebOPACで検索して回答にたどりついた、っていうのがある。例えば、これ。 昨年くらいに「マッサン」のモデルの人が日経「私の履歴書」で連載されていたのだが、それを見たい。 | レ…

カット!カット!カット!

昨年末からOfficeのクリップアート機能がさっくり廃止されたらしい。絵柄がバタ臭いのが多くて、しかもみんなが使うもんで被りまくりだったけれど、チラシやポスターにお手軽に使える便利な機能だった。でも、彼女(なのか?)はもういない。代わりに、bing…

変わることを楽しむチカラ

もう巳年も終わり、もうすぐ新年なので、一年の総括と来年の抱負を兼ねて、先日(つか、もうふた月も前だ)参加した"図書館海援隊フォーラム2013"で考えたことを一つだけ。 発表事例は、非常に中身が濃かった。病院と連携してがん情報の市民講座を開いたり、…

レファレンスサービス、君の名は

遅まきながら、『日本の図書館におけるレファレンスサービスの課題と展望』をちまちま読んでいて、おっと思ったことがある。レファレンス質問の受付スぺースの名称に関する分析のところだ。 多くの図書館で、レファレンスの受付スペースの名称や案内表示が違…

発見を生む図書館

"CA1798 -本と出合える空間を目ざして―恵文社一乗寺店の棚づくり―"を読んだ。良かった。 決まった本を素早く的確に探せるような検索性や利便性は、オンライン書店、大型書店に任せて、モノとして魅力にあふれた本をセレクトし、一定のテーマでゆるく並べる。…

非読書家による「読書案内」

読書案内が苦手だ。 図書館で仕事をしてるからには読書家に違いない、という先入観をもたれやすいのは仕方のないところだけど、飲み会とかで初対面の人と一緒になると、たいてい「おススメの本は?」と聞かれる。そして、この場合の「本」とは、何かしら小説…

ブックフィニッシュと戒老録

久しぶりに現場に戻ってもう一つ気がついたことは、お年寄りのお客様が増えたな、ということ。印象論だけど、確実に多くなっている気がする。大活字本の充実とか、高齢者向けのサービス強化は待ったなしの状態。それでふと思い出したのが、ちょっと前に読ん…

「現場」に戻ってきました

2年ばかり図書館から離れていましたが、めでたくお勤めを終えて、娑婆ならぬ現場に戻ることができました。戻ってきた記念に、縮小更新。戻ってみると、システムは替わってるわ、人は代わってるわ、すっかり浦島太郎状態。というか、むしろ、覚えてること、…

図書館は新装版がお嫌い?

先日、新聞の書評欄を読んでいたら、欄外広告に懐かしい名前が。仁木悦子か、昔、大好きだったな、と感慨ひとしお。『猫は知っていた』とかがポプラ社のYA向け(?)文庫で出てるらしい。今どきのポップな表紙が印象的で、また読んでみたいと思わせる。 こうい…

立つ鳥、後に残す、ということ

春は別れの時期でもある。今年も、長く図書館を支えてきた多くのベテラン司書が、現場を離れていくことになる。その方々が獲得し蓄積してきたノウハウが、今まさに、失われつつある。 特にレファレンスには、長年の経験が必要とされている。資料の知識、イン…

司書とクレドとレーゾンデートル

職場で、クレドを作ろうという話が出た。クレドといえば、たしか、リッツ・カールトンってホテルが有名だったな、と思いだして、年末に、『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』を読んでみた。 うーん、とうならされることの多い本だった…

2011年に向けて(ほぼセルフ激励文)

このブログを始めて、ほぼ一年が経過しました。何事にも冷め易く飽きっぽい当方がここまで続けてこられたのは、こんな世迷言でも目を通してくださる皆様のお蔭です。あらためてお礼申し上げます。 さて、先日、某講習会用の自己紹介シートを書いていて、2010…

書架整理とペンキ塗り

以前も書いたけれど、当方の職場では毎朝、職員が分担して書架の点検作業をする。その昔、業務の合理化とやらで、この作業を止めてしまおう、という話が出たこともあったのだけれど、お客様に乱れた棚を見せるわけにはいかない、というわけで(?)、今も続…

夢を語ること、夢を実現させること

「お金がない」が口癖になっている公共図書館業界。でも、いざお金が転がり込んできたときに、じゃあ、何をする? 蔵書を増やすだの、書庫を立て替えるだの、空調施設を修繕だの、どれも大事で必要なことだけど、なんだか小ぢんまりした夢のない案ばかり思い…

図書館員はブックディレクターの夢を見る

行きつけのパン屋さんがある。美味しいのはもちろん、イートインがあってコーヒーも無料で飲めるので、休日の遅めの昼食なんかにとても重宝している。で、そこのイートインはちょっとしたカフェっぽくなっているのだけど、本棚なんかもあったりする。ただ、…

初めてのプレゼントは、規則リスト?!

最近、妙に病気がちで、年齢を意識する今日コノゴロ、急に鼻の具合が悪くなって、近くの耳鼻科にお世話になった。そこは比較的若い先生がやってる個人病院なのだけど、そこに先生の来歴や病院の方針をエッセイ風に短くまとめた冊子が置いてあって、おっと思…

棚の透明度

ずいぶん前に読んだ井上ひさしの『自家製文章読本』に、「透明文章の怪」という章があるのを、書架の整頓中にふと思い出した。 いわく、文章そのものを感じさせない、修辞や技巧を労さずとも文意がすっと伝わる「透明な」文章こそが素晴らしい、とする文章家…

司書とめんどくさがり力

学生のころ、「自分は○○が好きだから、それについて研究している」って人がうらやましかった。そういう人の研究生活は、実に忙しそうに、そして楽しそうに見えた。 至極当たり前のことだけれど、自分の研究テーマのためなら、難しげな参考文献も長ったらしい…

職業病の一病態としての“本”特集愛好症

雑誌の“本”特集や読書特集を見つけると、たいてい買うようにしている。 『ダ・ヴィンチ』のような、一冊丸ごと“本”特集みたいな、総合的な書評誌はあまり読んでいない。それよりも、単発の特集記事、例えば『日経ビジネスassocié』や『The21』みたいなビジネ…

文脈棚とICタグ

少し前に読んだ『世界を知る力 (PHP新書)』のなかに、古書店通いを勧めたくだりがある。古書店の棚の、ゆるいまとまりで置かれた本の並びには、思いもよらなかった相関の発見がある、と著者はいう。棚の前に実際に立って「なぜこの本がここに?」と考えたり…