BEAYS(新装版)

本と図書館のことについて、つらつら書いてゆくblogです。

都道府県図書館が構築したデジタルアーカイブの利用条件に係る一所感~PD作品の画像は誰のものか~

2017年5月4日付けの朝日新聞に、「日本の美術館は、所蔵するパブリックドメイン作品の画像の貸出しに慎重」という主旨の記事が載っていた(要ログインだし、どうせ消えるのでリンクしない)。調査した公立美術館のほとんどで、パブリックドメインになってい…

都道府県図書館が構築したデジタルアーカイブ及びその利用条件一覧(2017年5月4日現在)

このページは、都道府県図書館が構築したデジタルアーカイブと、その利用条件についてまとめたものです。調査時点は2017年5月4日現在です。 各都道府県立図書館のウェブサイトトップからリンクされている(WEB公開されている)デジタルアーカイブを対象とし…

久しぶりの異動

この春から、利用者サービスの部署に異動になった。他所にお出かけしてた2年間を加えると、実に8年ぶり。浦島太郎とはこのこと。 いろんな仕事を残してきて、後任者には恨まれそう。頼りにしてた先輩や同僚が、3月末で少なからずいなくなってしまったのも…

L-Crowd「都道府県総合目録の将来像に関する研究プロジェクト」が楽しい。

先日からスタートしてCA入り*1もした、L-Crowd「都道府県総合目録の将来像に関する研究プロジェクト」が楽しい。 要は、機械的に同定できない書誌を、人海戦術で同定しちまえ、って取組み。機械的に同定できないっていっても、そんなに難しいことをするわけ…

マイナンバーカードの図書館利用にかかる対策について(私案)

総務省から2016年秋に発表された、マイナンバーカードの図書館利用は、複数の図書館の利用カードをマイナンバーカード1枚にまとめることができる、という、極めて利便性に富む画期的な取組である。 様々なクレジットカード、ポイントカード等の乱立により、…

2017年の気になる図書館システム関係覚書

年初なので、2017年の図書館システム、デジタルアーカイブ関係のあれこれ(公立図書館中心)で、興味をひかれることがらをメモ的に。 図書館システム関係 なんといってもカーリルさんの動きから目が離せない。カーリルUnitradAPIは導入館も増えて、機能強化…

カーリル Unitrad API 雑感

カーリルの中の人と話をする機会があり、カーリル Unitrad API の説明を聞くことができた。 高速かつ検索先への負荷の少ない検索、直感的でシンプルなUI、図書館側のメンテナンス不要で対象館の追加修正もほぼお任せ、と、至れり尽くせりの高機能・好対応。 …

さびしがりの神様と、首飾りと魔法のカギのお話

昔々、あるところに、小さな国がありました。その国の人々は、一人の神様を敬いながら、つましく暮らしておりました。 神様は、愛すべき人々がつましく暮らしている様に感心し、褒美として、一人一人に「真の名前」を与えることにしました。この「真の名前」…

分類の未来と客観性と~『自然を名づける』を読んで

久々に面白い本を読んだので、久々に書いてみる。 読んだ本は、コレ。 カーリルで開く 書架の整頓しててたまたま手に取った本で、職業柄、興味が湧いてきたので読んでみると、これが面白かった。 ヒトが、食べ物や外敵を見分ける(=分類する)ために発達さ…

歓送迎会雑感、あるいは、図書館は図書館で働く非正規の若者に何ができるか

今年も出会いと別れの季節がやってきた。 この業界、人の出入りがホント激しいのでいつものことではあるんだけど、スキルとノウハウを備えたベテランが何を残すことなくあっさりいなくなり、可能性に満ちてはいるけれど即戦力とはなりえないフレッシュマンが…

実録「図書館員が帯状疱疹になったら」

先日、帯状疱疹になった。今はもうほとんど治まっていて、結果としてはそれほどひどい症状ではなかったのだけれど、せっかくの機会とばかり色々調べたり読んだりしたので、ちょっとパスファインダー風味の実録にまとめてみた。 1 発症 あるお休みの日、家で…

地方カタロガー(似非)の悲哀

レファ協の事例を見ていると、ユニークな件名や内容細目が入力してある館のWebOPACで検索して回答にたどりついた、っていうのがある。例えば、これ。 昨年くらいに「マッサン」のモデルの人が日経「私の履歴書」で連載されていたのだが、それを見たい。 | レ…

「受付件数ゼロ」のレファレンスサービスを目指して

先日、とある研修で、医療情報支援サービスをやっている図書館の方のお話を聞く機会があった。いろいろ得るものがあったのだけれど、とりあえず一つだけ、驚いて、かつ嬉しかったことを書いておく。 その図書館では、数年にわたって継続的にサービスを行って…

カット!カット!カット!

昨年末からOfficeのクリップアート機能がさっくり廃止されたらしい。絵柄がバタ臭いのが多くて、しかもみんなが使うもんで被りまくりだったけれど、チラシやポスターにお手軽に使える便利な機能だった。でも、彼女(なのか?)はもういない。代わりに、bing…

図書館システムデモ雑感(その3)

承前。 大手ベンダーさんのデモをいくつか見させていただいて、共通してるのは以下のとおり。 そのシステムでできることを、ほとんど全部見せようとする 機能の説明だけして、その機能の採用や稼働の実績をいわない 予定時間どおりに終わらない 1.について、…

図書館システムデモ雑感(その2)

承前。 ベンダーさんの図書館システムデモの時には、必ず次の3点は質問するように心がけている。 WebOPACはアクセシビリティのJIS規格を満たしてるか WebAPIに対応しているか(OAI-PMH、SRU/SRW等) スマートフォン・タブレット用のWebOPACはあるか どれも、…

図書館システムデモ雑感

数年ぶりに、図書館システムのデモを見せてもらった。業界最大手の某社さん。利用者用OPACの機能充実がウリとのこと。 確かに多機能。 書誌情報全文検索、書影表示、ファセットブラウジング、キーワードサジェスト、レビュー、タギング、本棚機能、御丁寧に…

「国立国会図書館デジタルコレクション」以後の零細デジタルアーカイブ構築に向けて

はじめに タイトルは釣りです。 さて、光交付金からこっち、デジタルアーカイブを提供してる図書館が増えた(気がする)。じゃあ、他館(よそ)でもすなるデジタルアーカイブといふものをウチでもしてみむとてするなり、ってなぐあいで、予算もないのに自前…

変わることを楽しむチカラ

もう巳年も終わり、もうすぐ新年なので、一年の総括と来年の抱負を兼ねて、先日(つか、もうふた月も前だ)参加した"図書館海援隊フォーラム2013"で考えたことを一つだけ。 発表事例は、非常に中身が濃かった。病院と連携してがん情報の市民講座を開いたり、…

ぼくのかんがえたさいきょうのOPAC1.3

OPAC2.0なんてものが唱えられたとき、きっとウチの図書館のシステムも進化(バージョンアップ)すれば、そのうちアレになるに違いない、となんとなく夢想してたものだけど、あれから幾星霜、いつまでたっても1.0のまんま。ベンダーさんに聞くと、「今のOPAC…

レファレンスサービス、君の名は

遅まきながら、『日本の図書館におけるレファレンスサービスの課題と展望』をちまちま読んでいて、おっと思ったことがある。レファレンス質問の受付スぺースの名称に関する分析のところだ。 多くの図書館で、レファレンスの受付スペースの名称や案内表示が違…

発見を生む図書館

"CA1798 -本と出合える空間を目ざして―恵文社一乗寺店の棚づくり―"を読んだ。良かった。 決まった本を素早く的確に探せるような検索性や利便性は、オンライン書店、大型書店に任せて、モノとして魅力にあふれた本をセレクトし、一定のテーマでゆるく並べる。…

非読書家による「読書案内」

読書案内が苦手だ。 図書館で仕事をしてるからには読書家に違いない、という先入観をもたれやすいのは仕方のないところだけど、飲み会とかで初対面の人と一緒になると、たいてい「おススメの本は?」と聞かれる。そして、この場合の「本」とは、何かしら小説…

レファレンス記録を書く、ということ

レファレンスの何がしんどいって、事後の記録を書くのが一番しんどい。回答とその典拠はもちろん、後で他人が見てもその調査を再現できるように、調査メモを見返しながら、あるいは経過を必死に思い出しながら、調査戦略(みたいなもの)とその結果を時系列…

はてなブログに移行してみました。

はてなブログ図書館支援プログラムを記念して、ダイアリーからブログに移行してみました。来るべき自館ブログ立ち上げをにらんで、というか、祈念してという感じです。 例によって細々と続けてまいる所存です。よろしくお願いします。

アクセシビリティ狂想曲

国立国会図書館が、先日(つってもひと月くらい前だが)、「国立国会図書館ウェブアクセシビリティ方針」を発表した。いわゆるウェブアクセシビリティのJIS基準に基づき、等級AA準拠を、ウェブサービス全体に適用することを目標に、順次対応する、とのこと。…

ブックフィニッシュと戒老録

久しぶりに現場に戻ってもう一つ気がついたことは、お年寄りのお客様が増えたな、ということ。印象論だけど、確実に多くなっている気がする。大活字本の充実とか、高齢者向けのサービス強化は待ったなしの状態。それでふと思い出したのが、ちょっと前に読ん…

「現場」に戻ってきました

2年ばかり図書館から離れていましたが、めでたくお勤めを終えて、娑婆ならぬ現場に戻ることができました。戻ってきた記念に、縮小更新。戻ってみると、システムは替わってるわ、人は代わってるわ、すっかり浦島太郎状態。というか、むしろ、覚えてること、…

図書館は新装版がお嫌い?

先日、新聞の書評欄を読んでいたら、欄外広告に懐かしい名前が。仁木悦子か、昔、大好きだったな、と感慨ひとしお。『猫は知っていた』とかがポプラ社のYA向け(?)文庫で出てるらしい。今どきのポップな表紙が印象的で、また読んでみたいと思わせる。 こうい…

立つ鳥、後に残す、ということ

春は別れの時期でもある。今年も、長く図書館を支えてきた多くのベテラン司書が、現場を離れていくことになる。その方々が獲得し蓄積してきたノウハウが、今まさに、失われつつある。 特にレファレンスには、長年の経験が必要とされている。資料の知識、イン…